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暴落相場の最中、急激に株価が上昇する局面があると、「底打ちか?」「買いのタイミングかもしれない」と掲示板やSNSが沸き立つ瞬間があるかもしれません。しかし、飛びついた翌日、再び奈落の底へと叩き落とされた経験はありませんか?
それは、投資家を罠に嵌めるデッドキャットバウンスかもしれません。ただし、デッドキャットバウンスを見極める方法を知っていれば、上昇に飛び乗るリスクを認識できる可能性があります。
本記事では、デッドキャットバウンスの意味や値動きの仕組み、ダマシの見極め方を徹底解説します。
デッドキャットバウンス(Dead Cat Bounce)とは、ウォール街に古くから伝わる投資格言で、直訳すると死んだ猫の跳ね返りとなります。この格言には高いところから落とせば、死んだ猫ですら地面に叩きつけられた反動で少しは跳ね返るという意味が込められています。

デッドキャットバウンスは、長期的な下落トレンドや大暴落の最中に発生する一時的かつ小規模な価格の反発を指す言葉です。一般的な反発のように一時的な上昇が企業の業績回復や景気の好転といったポジティブな理由によるものではなく、自律的な反発で起きている点に注意しなければなりません。
そのため、一時的に価格が跳ねても再び下落トレンドに戻り、直近の安値をさらに更新していくケースが多いです。
経済状況が悪化し、誰もが悲観している暴落局面において、突如価格が上昇する要因は、暴落を引き起こした空売り勢による利益確定の買い戻しが集中するからです。
つまり、新規の投資家が株を買ったことで発生する上昇ではありません。
ヘッジファンドや機関投資家は、下落局面で大量の空売りを行いますが、相場がある程度下がり切ると、含み益を確定させるためにポジションを決済します。大量の決済買いが一気に入ると、需給バランスが一時的に買い越しとなり、価格が急騰します。

個人投資家は一時的な上昇を底打ちと勘違いして追随買いを入れますが、ショートカバーが一巡すると新たな買い手はいなくなるのです。
その後再び、高値で売りたい投資家が現れると、相場は天井を打って再暴落してしまいます。
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デッドキャットバウンスが発生するとSNSやインターネット掲示板が盛り上がることで、損失が拡大することがあります。
暴落初期には「もうダメだ」「資産が半分になった」という悲鳴が溢れますが、ひとたびバウンス(反発)が始まると、雰囲気は一変します。
「底打ちか?」「買い逃してはいけないという心理 」「全力投資をしないとしたほうがいいのでは?」といった、根拠のない楽観論と歓喜の声が広がることがあるでしょう。
投資家がこのような大衆心理を持つ理由は、含み損を抱えており助かりたいという願望と、暴落で買えなかった投資家の安く買いたいという欲が、一時的な上昇によって刺激されるためです。
皮肉なことに、SNSで「ここが底だ」という書き込みが多くなった瞬間が、デッドキャットバウンスの天井であることは珍しくありません。
デッドキャットバウンスが起きる際には、以下のような特徴があります。
下落局面で一時的な反発が発生した際にこれらの特徴がある場合は、買い判断には慎重な検討が必要です。
【特徴1】出来高の減少を伴って上昇している

下落局面の一時的な上昇が本物かダマシか判断する際、出来高の推移をみるようにしましょう。相場には「出来高は価格に先行する」という格言があります。
本物の底打ちであれば、多くの機関投資家や大口トレーダーが安いと判断して新規資金を投入するため、出来高が急増しながら陽線が連続します。
一方、デッドキャットバウンスで起きる反発は、空売りの買い戻しと一部の個人投資家の買いに過ぎないため限定的なまま価格が上昇することです。
価格は上がっているのに、出来高が増加していないというダイバージェンスが見られた場合、買い支える力がないため、次第に失速して下落していく可能性が高くなります。

フィボナッチ・リトレースメントを見て、上昇の勢いが本物か見極める方法もあります。
フィボナッチ・リトレースメントとは、相場のトレンドがいったん調整する際、どこまで価格が戻るかを黄金比に基づくフィボナッチ比率(38.2%や61.8%など)を使って予測する手法です。
直近の高値から安値に向かってフィボナッチを引いた際、デッドキャットバウンスは以下のラインで頭打ちになる傾向が強く見られます。
| 38.2% | 弱い反発であり下落の勢いが強い場合、再度下落する |
| 50.0% | 下落トレンド中の強力なレジスタンスとして機能する |
38.2%〜50%のゾーンで上昇が鈍化し、上ヒゲの長いローソク足など天井で出現しやすいシグナルが出現したら、優位性の高い売りのエントリーポイントになる傾向が見られます。
逆に、価格が61.8%のラインを明確に超えると、デッドキャットバウンスではなく、本格的なトレンド転換の可能性があります。
ボリンジャーバンドの形状と価格の位置関係を見ることも、判断材料になります。暴落相場では、ローソク足がボリンジャーバンドの-2σのラインや外で推移することが珍しくありません。
一時的に反発(バウンス)すると、価格はバンドの内側へと戻り、中心線であるミドルラインを目指して上昇します。
実際、以下はソフトバンクグループの週足チャートですが、デッドキャットバウンス発生後にローソク足がミドルラインにタッチしてから天井にぶつかったかのように下落する動きが起きています。

ミドルラインを上抜けできずに再度下落したことは、再び-2σを目指す下落トレンドへ回帰を示唆するサインとしては強い根拠です。さらに陰線も出ているため、上昇圧力が続かなかったことの証明を強く示唆しています。
デッドキャットバウンスによる一時的な上昇と本格的なトレンド転換は違いますが、見極める方法としては以下のような基準があります。
ここからは、もう少し詳しくみていきましょう。
デッドキャットバウンスが発生したら、ファンダメンタルズに明確な好転材料があるかを確認しましょう。
基本的に価格が下落するのには理由があるため、根本の要因がなくならない限り、本格的に上昇することはないないと考えられます。
例えば、中央銀行の利上げが嫌気されて暴落しているなら、利上げはしないという発表が行われ、戦争や地政学リスクが原因なら両国が停戦で合意といった明るいニュースがあればトレンドが転換しやすくなります。
チャートでは勢いよく価格が上がっていても、ニュースや経済指標に好転する材料が出ていないときは、デッドキャットバウンスが起きる可能性があります。
暴落からの回復パターンにおいて、一度底を打ってから一直線に最高値を目指すV字回復はあまり起きません。
その理由は、通常トレンド転換には、底固めの時間が必要だからです。よって、一度大きく上昇した後に、再び売り圧力が強まって下落したものの前回の安値を割らずにダブルボトムが形成されると、トレンド転換のシグナルとなる可能性があります。
直近の安値を更新できなかった事実は、売り手の勢いが枯渇し、その価格帯に強い買い需要がある証拠になります。
デッドキャットバウンス発生時の主なトレード戦略には以下の3つがあります。
それぞれのトレード戦略について順番にみていきましょう。
現物取引が中心の場合、下落局面では保有資産の評価額が減少するのを静観するか、売却してポジションを解消するかの判断を迫られます。
一方、売り注文が可能なFXやCFD取引では、一時的な反発を利用して、下落トレンドの再開に合わせたポジション構築を検討することが可能です。
具体的な手順としては、以下の通りです。
まずは焦らずに、価格が十分に戻ってくるのを待ちます。戻りの目安となるのは、フィボナッチ・リトレースメントの〜61.8%ラインや、下向きの移動平均線などの抵抗帯です。
これらの水準まで価格が上昇した際、15分足や1時間足などのチャートに長い上ヒゲや包み足といった反落を示唆するプライスアクションが出現した段階で、売りのエントリーを検討できます。
この手法では、直近の高値を背に損切りラインを設定しやすいため、リスクを抑えながら下落トレンドに乗ることができます。
新NISAにおける株式
そのような場合、保有している現物資産を売却せずに、海外FX業者のCFD取引を用いてヘッジをかける手法があります。
例えば、保有している米国株の評価額が下がっている局面に際し、CFD口座で同額分のS&P500やナスダック100指数の売りポジションを保有したケースで考えてみましょう。
ヘッジをかけておくことで、デッドキャットバウンス後に米国株が再度下落しても、CFD側の売りポジションで発生した評価益が、現物株の評価損を相殺する役割を果たします。
その後、相場の底打ちを確認してCFDのポジションを解消すれば、下落局面でも現物資産を手放すことなく、大きな損失を避けられる可能性があります
デッドキャットバウンスが終了し、直近の安値を下回ったタイミングで、トレンドの継続に合わせて売りを行うことも可能です。
市場心理として、直近の安値を下抜けると、リバウンドを期待して買っていた投資家の損切り注文が誘発される傾向があります。売り圧力が連鎖的に強まるため、価格変動のスピードが加速しやすいという市場の性質を利用したアプローチです。
デッドキャットバウンスを狙って取引する際には、いくつか注意点があります。
大きな損失を被らないためにも、これから解説する注意点については、理解しておきましょう。
デッドキャットバウンスを狙って戻り売りをしても、踏み上げが起きるリスクに注意しなければなりません。
なぜなら、予想に反して上昇が止まらず、本格的に反発した場合、売りポジションの含み損が膨らんでいくからです。

この局面で「そのうち下がるだろう」とナンピンをすると、売り手が一斉に損切りして価格が暴騰した場合に大きな含み損が発生することがあります。このように、こうした行動のリスクを理解しておくことが重要です
デッドキャットバウンスを活用してトレードする場合は、前回の戻り高値を越えた場合のリスク管理方法を事前に設定することが重要です。
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<h3>【注意点2】信用取引は借金を抱えるリスクがある</h3>
暴落相場における一時的な反発は、直前の下落幅が大きいぶん、リバウンドの値幅も急激に大きくなる傾向があります。
このような局面で、国内証券会社の信用取引などを利用してレバレッジをかけた売り注文を行った場合、追証(追加証拠金)が発生するリスクを考慮しなければなりません。
相場の急騰局面では、買い戻しができずに損失が拡大し、証拠金を超過した損失が発生する可能性があります。
このようなリスクを避けるためには、以下の2つの方法があります。
現物取引であれば、最悪の場合でも資産価値がゼロになるだけで、追加の支払いは発生しません。ただし、株式を保有していない状態での売り注文ができない点に注意が必要です。
また、海外FX業者のCFD取引を利用すれば、レバレッジをかけて売りから入ることができます。さらに追証なしのゼロカットシステムを採用している業者なら、万が一、口座残高を超える損失が発生しても、マイナス分はFX業者が負担します。
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下落相場の一時的な上昇で買いたいと考えている場合は、まずデッドキャットバウンスが発生していないか確認しましょう。その上で、反発の天井を狙った戻り売りや下落トレンド再開後のブレイクアウトを検討するなど、上昇にすぐ飛びつくことは避けなければ、相応のリスクを伴う可能性があります。
ただし、デッドキャットバウンスを見極めることができれば、下落局面での一時的な反発が起きても迷うことなく売買判断ができるようになるでしょう。
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