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「保有している株がストップ高になったけれど、なぜか注文が約定しない」「ストップ高になるとどうなるの?」とストップ高時の取引について疑問を持つケースも見られます。
実は、ストップ高になると売れない状況が発生するのは、市場の混乱を防ぐための制度(特別気配)によるものです。ストップ高になった後さらに上昇することもあるため、値動きが大きくなる局面であり、利益・損失のいずれの可能性もあります。
不測の事態を避け、取引リスクを理解するためには、こうした仕組みや売り禁の影響を正しく理解しておかなければなりません。
本記事では、ストップ高が起きやすいタイミングから、比例配分のルール、値幅制限の4倍ルールなどについて解説します。
1.ストップ高・ストップ安とは株の値幅制限のこと
2.ストップ高になると取引が制限され売れなくなる
3. 値幅制限が拡大されてストップ高の値幅が4倍になることもある
株式市場では、一日の売買における値動きの幅を価格水準に応じて一定に制限する「制限値幅」(値幅制限)という制度が設けられています。
この制度により、株価の上昇が制限値幅の上限に達した状態を「ストップ高」、下落が下限に達した状態を「ストップ安」と呼びます。
値幅制限の範囲は前日の終値を基準に決定され、株価が高くなるほど値幅制限の範囲も大きくなります。このような制度が設けられている理由は、株価の異常な暴騰や暴落を防ぎ、市場の過熱や恐慌を抑えることで、投資家への不測の損害や市場の混乱を防ぐためです。
制限値幅の範囲は、基準値段から約15%〜30%の範囲で株価の基準値段によって決められています。
| 基準値段 | 制限値幅 | 基準値段 | 制限値幅 |
| 100円未満 | 30円 | 15万円未満 | 3万円 |
| 200円未満 | 50円 | 20万円未満 | 4万円 |
| 500円未満 | 80円 | 30万円未満 | 5万円 |
| 700円未満 | 100円 | 50万円未満 | 7万円 |
| 1,000円未満 | 150円 | 70万円未満 | 10万円 |
| 1,500円未満 | 300円 | 100万円未満 | 15万円 |
| 2,000円未満 | 400円 | 150万円未満 | 30万円 |
| 3,000円未満 | 500円 | 200万円未満 | 40万円 |
| 5,000円未満 | 700円 | 300万円未満 | 50万円 |
| 7,000円未満 | 1,000円 | 500万円未満 | 70万円 |
| 1万円未満 | 1,500円 | 700万円未満 | 100万円 |
| 1万5,000円未満 | 3,000円 | 1,000万円未満 | 150万円 |
| 2万円未満 | 4,000円 | 1,500万円未満 | 300万円 |
| 3万円未満 | 5,000円 | 2,000万円未満 | 400万円 |
| 5万円未満 | 7,000円 | 3,000万円未満 | 500万円 |
| 7万円未満 | 1万円 | 5,000万円未満 | 700万円 |
| 10万円未満 | 1万5,000円 | 5,000万円以上 | 1,000万円 |
※東京証券取引所における値幅制限
例えば、株価が1,000円の株式を保有している場合、1日で株価が1,300円に上昇したらストップ高、700円に下落したらストップ安となります。

ストップ高が起きる際、特定の状況や出来事によって引き起こされることが多くあります。
ストップ高が起きやすいタイミングを挙げると、以下の通りです。
詳しく解説します。
予想を大きく上回る好決算の発表や業績予想の上方修正が、株価のストップ高につながることがあります。
なぜなら、企業の将来性や収益性に対してより高い期待を抱くようになった投資家が、株式を購入しようと殺到して株価が急騰するためです。
加えて、好材料を受けて証券アナリストが企業評価や目標株価を引き上げると、買い需要が強まる傾向があります。さらに機関投資家による大口取引が行われれば、株価上昇の要因となる場合があります。
これらの要因が重なると、株価が一日の値幅制限(ストップ高)まで上昇することがあり、複数日にわたり上昇が続くケースも見られます。
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新サービスや新製品の発表は、企業の成長性や将来性に対する投資家の期待を高める要因の一つとされていますので、株価の急上昇やストップ高につながることがあります。
特に、革新的な技術を用いた新製品や、業界を変革する可能性のある新サービスが発表された場合は、他社との競争力の強化や収益拡大の可能性を示唆する可能性があります。
例えば、新型スマートフォンの発表や画期的な医薬品の開発が成功するなどのニュースは、しばしば株価の急騰を引き起こし、ストップ高に至ることがあります。
他社との提携や買収が発表された際も株価がストップ高になることがあります。企業価値の向上につながる可能性が高いため、株価が急騰する要因となることがあります。
なぜなら、提携や買収により、新たな市場への参入、技術やノウハウの獲得、シナジー効果の創出などが期待されるためです。
例えば、補完的な技術を持つ企業との提携は、製品開発の加速や新サービスの創出につながる可能性があります。また、競合他社を買収すれば、市場のシェア拡大や経営資源の獲得が可能になります。
その結果、これらの動きを好意的に捉えた投資家によって、ストップ高水準まで上昇するケースも見られます。
増配や自社株買いなど株主にとってメリットがある施策が発表された際も、ストップ高になることがあります。
その理由は、これらの施策は株主の利益を増やすことにつながるので、好意的に捉えられることが多いからです。
例えば、増配は株主への利益還元として評価され、自社株買いは1株当たりの価値向上につながることが期待されます。
加えて、機関投資家による買い需要の増加や、アナリストが企業評価を上方修正することも株価上昇を後押しするでしょう。
現在保有している株がストップ高になるとどうなるか気になる人はいるでしょう。
ここからは、ストップ高になると取引にどう影響するか解説します。
それぞれの状況について順番に見ていきましょう。
ストップ高になると、株価の急激な変動を防ぐために特別気配により売買が成立しにくい状態となるため、一時的に売買ができなくなります。
取引の停止中は、保有している株の売却もできなくなります。さらに、ストップ高が発生すると、値幅制限により注文が制限されることもあるので注意しましょう。
| 注文方法 | 注文の受付 |
| 成行買い注文 | 可能(約定しないことがある) |
| 指値買い注文 | 可能(ストップ高価格以下) |
| 成行売り注文 | 可能(ストップ高価格以下) |
| 指値売り注文 | 可能(ストップ高価格以上の指値注文) |
例えば、株の基準値段が1,800円の場合、1日で400円上昇するとストップ高になるので、2,200円を超える価格での取引はできません。
2,200円までの範囲であれば、成行・指値ともに可能ですが、成行買い注文の場合は売り注文不足により約定しないことがあります。
また、こうした急騰局面では、証券金融会社などによって売り禁(新規売付制限)が課されるケースも少なくありません。
売り禁とストップ高が重なると、新規の空売りによる売り圧力が完全に遮断されるため、需給バランスがさらに買い優勢へと傾き、翌日以降の需給バランスに影響を与える可能性があります。
株価がストップ高に達して取引が停止したまま大引け(取引終了)を迎えた場合、通常の取引方法では売買を成立させることができないため、ストップ配分(比例配分)と呼ばれる特別なルールに基づいて株式が割り当てられます。

この仕組みでは、まず東京証券取引所などの取引所が、買い注文を出している各証券会社に対して、残っている売り注文を1単位(通常100株)ずつ順番に配分していきます。
しかし、注文数量が多い証券会社から優先的に配分が行われるというルールがあるため、利用する証券会社の規模や全体の注文状況が結果に影響を与える可能性があり注意が必要です。
取引所から株式を受け取った各証券会社は、今度は自社の顧客である投資家に対して配分を行います。
配分ルールは証券会社によって異なり、注文を出した順番(先着順)で決める会社もあれば、注文数量が多い順や完全な抽選制を採用している会社もあります。
ストップ高になった銘柄は圧倒的に買い注文が多いため、ストップ配分の当選確率は低くなる傾向があります。
どうしても約定させたい場合は、少しでも配分株数が多いと予想される証券会社ごとに配分ルールが異なる点には留意が必要です。
なお、希望した株数がすべて手に入るとは限らず、一部のみの配分となるケースが多い点は理解しておく必要があります。
当日の取引時間内に十分な売り注文が集まらず、需給バランスが極端に偏った状態が続いた場合、ストップ高が翌日に持ち越されることがあります。
ストップ高になって翌日に持ち越された場合、前日のストップ高価格を基準として新たな制限値幅が設定されて取引が再開されます。
その後の流れについては、以下のいずれかが考えられるでしょう。
寄り付きから再びストップ高になった場合、再び売買が一時停止の状態になります。
ストップ高になった株が翌日になってストップ高以下の値段で始まることがあります。
主な理由は以下の3つです。
翌日になってストップ高以下の値段で始まった場合、ストップ高で上昇を見越して買った投資家は含み損となる可能性があります。
また、ストップ高に伴う上昇で発生した含み益の確定を考えていた投資家は、想定より低い価格での売却となる可能性があります。
ストップ高になった際に、2営業日連続で以下のいずれかの条件を満たすと、翌営業日(3営業日目)に値幅制限が4倍(いわゆる2日連続ストップ高で翌日4倍)に拡大します。
つまり、2営業日連続でストップ高またはストップ安となり、株の売買が行われなかった(出来高0)ときに値幅制限が拡大するのです。
具体例を挙げて解説していきましょう。

1日目に1株1,000円の銘柄が300円値上がりし、終値1,300円(ストップ高)になりました。
そして、2日目には300円値上がりし、1,600円で2日連続ストップ高を達成したと仮定します。
この場合、3日目からストップ高が拡大する点に注意が必要です。2日目終了時点で株価が1,600円の場合、通常なら400円の値幅を足した2,000円がストップ高になりますが、4倍に拡大するので新たなストップ高の基準は3,200円となります。
400円(通常の制限値幅)×4倍=1,600円
3日目のストップ高:1,600円+1,600円=3,200円
こうなると、最初から株を持っている人は、価格変動が大きくなるため、損益の振れ幅も拡大する可能性があります。
一時的にストップ高になっても、途中でストップ高が解除されると、株価が下落することがあります。

ストップ高が解除されることがある理由は、利益確定売りや高値警戒感による売り注文が入ると、需給バランスが改善するからです。
具体例として、1,000円までストップ高で上昇した株を考えてみましょう。昼休み明けに大量の売り注文が入った場合、ストップ高が解除される可能性があります。
その結果、後場の開始直後は1,000円で取引が再開されても、990円まで下落するようなケースが考えられます。
特に昼休み明けや大引け前など、取引が活発になる時間帯は、ストップ高が解除されやすいので注意が必要です。
買い注文を入れた後にストップ高が解除されると、高値づかみにより損失を被る可能性があります。
ストップ高になったら翌日に買うべきか悩む人もいますが、慎重な判断が求められる場面とされています。
というのも、前日の高値で購入した投資家による利益確定売りや株価が割高感になったことで高値づかみをする可能性があるからです。
ただし、ストップ高の要因を確認した上で現在の株価が割安と判断した場合は、そのまま保有し続けたり新たに購入したりする投資家もいます。
ここでは株がストップ高になるとどうなるか悩むトレーダーが持つ疑問に回答します。特に保有中の株がストップ高になると売れなくならないか不安な人は、ぜひ参考にしてください。
ストップ高になると売却注文は出せるものの、買い注文に対して売り注文が極端に少ないため、取引が成立しないケースが増えます。ただし、比例配分によって一部の注文が成立する可能性はあります。
2営業日連続で出来高ゼロのままストップ高が続くと、翌営業日から値幅制限4倍という特別なルールが適用されます。値幅制限が4倍になった当日や翌日以降は、株価が1日で大きく動く可能性があるので、投資家にとっては価格変動が大きくなる一方で損失を被るリスクが高くなります。
強力な好材料がある場合、ストップ高が3日連続あるいはそれ以降も続く可能性があるでしょう。ただし、連続するほど投資家の高値警戒感も強まるため、ストップ高 の連続日数が4日目以降は急落のリスクに注意しましょう。
ストップ安になると売りが殺到して買いたい人がいない状態となり、保有株を売りたくても売れない状況に陥る可能性があります。その結果、含み損が拡大する可能性があります。
ストップ高の4倍ルールは、2営業日連続でストップ高(または安)になり、かつ出来高が0株(寄らずのストップ高)だった場合、翌営業日に値幅制限が4倍に拡大されます。
ストップ高は、投資家の買い需要が高いため、翌日以降2日連続ストップ高になることもあります。ただし、ストップ高になったからといって安易に飛び乗ると、高値づかみの危険性があります。また、売りたくても売れない状態になることもあるので注意しましょう。
ストップ高になったら売買するかは、慎重な判断が求められます。
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