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FOMOとは(Fear Of Missing Out)、日本語で『乗り遅れることへの恐怖』を意味する心理状態です。 で他人の利益報告を見て焦ったり、「あの時買っておけばよかった」と後悔した経験はありませんか?
FOMOは株式や暗号資産(仮想通貨)の投資判断を大きく狂わせ、高値掴みやルール違反のトレードを引き起こす原因になります。
本記事では、FOMOの意味や具体例、投資家が陥りやすい兆候、そしてFOMOを避けるための対策について解説します。
FOMOとはFear Of Missing Outの略で、日本語では取り残されることへの恐怖や見逃すことへの恐怖と訳される心理状態を指します。
この心理が生まれる背景には「自分が知らない間に他人が何か良い経験をしているのではないか」「このチャンスを逃したら自分だけが損をするのではないか」といった、社会的な不安や焦りがあります。
例えば、投資に限らず友人だけが参加した楽しそうなイベントの投稿を見た、人気の限定商品が売り切れていたといった日常の些細な出来事でも、私たちは軽いFOMOを感じることがあります。
では、なぜ今このFOMOが現代病とまで言われるほど注目されているのでしょうか。 最大の理由は、SNS(XやInstagramなど)の普及と、情報がリアルタイムで流れ込む情報過多の環境にあります。
かつては知るよしもなかった他人の成功(例えば、投資の利益報告や豪華な生活など)が、SNSによって常に可視化され、自分と容易に比較できる時代になりました。
さらに、情報の流れがあまりにも速いため、常にチェックしていないと重要な情報を見逃してしまうという一種の強迫観念に駆られやすくなっています。投資の世界においても強力な心理的トリガーが働き合理的な判断を狂わせることがあります。
どんな投資方法でもFOMOに陥ってしまうことはあります。ここからは、金融商品別にどのようなFOMOのパターンがあるかみていきましょう。
株式投資におけるFOMOは以下の2つがあります。
それぞれのパターンについて詳しくみていきましょう。

1つ目のFOMOのパターンは、決算発表後の高値掴みです。 好決算が発表された翌朝、株価が前日終値より大幅に高く始まる窓開けが起こることがあります。
窓開けが起きた際、「この好材料ならまだまだ上がるはずだ」「寄り付きで買わないと乗り遅れる」というFOMOが投資家を襲います。
その結果、市場が開いた瞬間に最高値で飛びつき、その直後に材料出尽くしと見た他の投資家たちの利確売りに押され、あっという間に窓埋めの下落に巻き込まれる、という失敗パターンが後を絶ちません。
また、窓開けの後は利益確定売りによって株価が反落するケースも多いため、株価変動には注意が必要です。過去の事例では高値で購入した投資家が損失を被るケースもありました。
2つ目のFOMOのパターンは、2021年に起きたGameStop株の騒動です。この事例は、米国の掲示板サイトRedditを発端に、機関投資家の空売りを打ち負かすという一種のストーリー性が生まれました。
歴史的なイベントに参加しているという高揚感が個人投資家のFOMOを極限まで高め、株価を本来の企業価値とはまったく無関係なレベルまで異常に押し上げたのです。
しかし、熱狂の渦中で高値掴みをした多くの投資家は、ブームが去った後の暴落によって、最終的に大きな損失を被ることになりました。
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暗号資産(仮想通貨)におけるFOMOは以下のような事例があります。
それぞれのパターンについて詳しくみていきましょう。
1つ目のFOMOのパターンは、NFT(非代替性トークン)ブームにより高額転売されたデジタルアートです。
例えば、猿の顔が描かれたアイコン(Bored Ape Yacht Club)が数千万円で転売されたり、ドット絵のキャラクター(CryptoPunks)が数億円で落札されるニュースが駆け巡りましたが、全ての投資家が同じ結果を得られるわけではありません。
一見すると価値が分かりにくいデジタルアートに高値が付いたことで、多くの人々が短期間の利益に関心が集まり、多くの人が新規プロジェクトに参加しました。
この事例の背景には、以下のようなFOMOが関係しています。
NFTブームは2021年後半まで続いたものの、その後は急速にブームが終了して、高額な取引が行われることは少なくなりました。

2つ目の FOMOのパターンは、2020年に始まったDeFiサマーです。DeFiサマーとは、2020年夏頃に起きたDeFi(分散型金融)の爆発的なブームを指します。特に流動性マイニング(イールドファーミング)と呼ばれる暗号資産を預けて高い利回りを得る仕組みが熱狂を生み、巨額の資金がDeFi市場に流入しました。
流動性マイニングでは、預ける暗号資産によっては年数十%~の利回り(APY)を得られたケースもあり、多くの個人投資家も参入しました。
DeFiサマーが流行した背景には、多くの投資家がリスクを十分理解する前に高い利回りを期待して行動したことがあります。
しかし、高利回りを謳う新興DeFiプロトコルに資金をロックした投資家の中には、ハッキングや運営による資金持ち逃げ(出口詐欺)によって全資産を失う人も続出しました。
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現在のご自身が正常な精神状態で相場をみているのか不安がある人もいるでしょう。投資に集中するあまりいつの間にかFOMOの状態に陥っていることも珍しくありません。

以下の兆候がある場合は、FOMOになっている可能性があります。
それぞれの兆候について詳しくみていきましょう。
価格変動や他人の意見が気になり、日常生活に支障が出るほどチャートやSNSをチェックしてしまう人は、価格を見ていない間に大きく動くことを不安視している状態に陥っています。
会議中や食事中、さらには深夜に目が覚めた時まで、無意識にスマホを取り出して価格やXのタイムラインを確認している状態になれば、冷静な投資判断はまずできないでしょう。
自分で決めた取引ルールを破ってエントリーしている場合は、FOMOの状態に陥っている可能性が高いです。
投資ルールとは、感情に流されず、冷静な判断をするために自分で決めなくてはならないものです。[HT1]
ルールを守ることよりも「今すぐ買わないと(売らないと)」という感情(FOMO)が優先されている状態では、トレード成績が安定しにくくなります。
例えば、上昇トレンドの相場において押し目を待ってからエントリーするルールにもかかわらず、急騰するチャートを見て我慢できずに飛び乗った場合、ダマシに遭いやすくなるでしょう。
FOMOに陥らないためには、取引ルールを守ることが必要です。
他人が儲かると言っているという理由だけで、企業やプロジェクトの価値を自分で調査・理解せずに投資している場合は、FOMOの兆候が現れています。
なぜなら、合理的な分析を行う時間よりも、早く買わないと儲け損なうという焦りが上回ってしまっているからです。
具体的には、Xで有名なインフルエンサーが紹介していた草コインを、ホワイトペーパー(事業計画書)も読まず、将来性もわからないまま乗り遅れまいと購入する行為は、投資ではなく単なるギャンブルといえるでしょう。
興味のある投資先が見つかった場合は、ご自身で情報収集をしてから投資を検討しましょう。
実は、利小損大のトレードもFOMOと深い関係があります。 これは行動経済学でプロスペクト理論として知られていますが、根底にあるのは利益を失う恐怖です。
価格が反転すると含み益が消えてしまうのではないかという恐怖があると、本来の利益確定目標に達していないのにすぐに売ってしまうすなわちチキン利食いをする人もいます。
一方で、含み損が拡大した際にここで損を確定させたくないという損失回避バイアスから、損切りをせずに反転を待ち続ける人もいます。
このような考え方は、利小損大のパターンとなるため、現在の成績は良くてもいずれ大きな損失を被る可能性が高いトレードです。
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FOMOに陥った場合、以下のような失敗をする可能性があります。
それぞれの失敗例について順番にみていきましょう。
FOMOによる投資がもたらす最も典型的で致命的な失敗が、高値掴みと狼狽売りのコンボです。
決算後の窓明けのように乗り遅れるわけにはいかないという気持ちで買いたくなった場合、貪欲がピークに達したすなわち最も価格が過熱している天井であることがほとんどです。
そして、その後の下落局面では、FOMOが恐怖へと反転し、今度は早く売らないと全資産を失うというパニックから、最も価格が安いところで狼狽売りしてしまいます。
このように、投資でFOMOが起きると天井で買い底で売るというトレードパターンに陥るリスクがあります。

FOMOは一発逆転、一攫千金の夢を見させ、投資家のリスク管理能力を麻痺させる危険性があります。
短期間の利益に注目しすぎる傾向は、リスクを過小評価する原因となるので、ご自身のリスク許容度をはるかに超えるポジションを持とうとしてしまうのです。
例えば、普段はFX取引で最大でも5,000通貨までしか取引しない人が10年に一度のチャンスだと感じて10万通貨で取引した場合、エントリー方向から逆行しただけでロスカットにより相場から退場してしまうことがあります。
レバレッジが高い業者や取引所を使っている場合でも、リスク許容度を超えるポジションを持つと損失リスクが高まるため、注意が必要です。
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常にポジションを持っていないと、次の大きなチャンスを逃してしまうのではないかという状況で取引を継続すると、ポジポジ病に陥る可能性があります。
ポジポジ病になると、取引の優位性が高い場面が来るまでじっくり待つことができず、どんな値動きでも売買を繰り返してしまいます。
売買回数が増えても、損切りとなるトレードが増えるため、利益がほとんど出ていないかマイナスにもかかわらず、取引手数料だけが積み重なって資産が減っていく状況に陥るでしょう。
FOMOにならないためには、ずっとポジションを持っていないとチャンスを逃すという考えは捨てなければなりません。
FOMOに駆られた投資家は詐欺の格好のターゲットとなります。
なぜなら、早く投資しないと先行者利益を逃すという焦りから、投資先の精査を怠ったり簡単に済ませたりしてしまうことがあるからです。
特に「必ず儲かる」「月利100%保証」といった冷静に考えればあり得ない甘い言葉を鵜呑みにするのは危険です。
そのようなプロジェクトや投資に参加した場合、詐欺に遭い、大きな損失を被るリスクがあります。
貴重な軍資金を失わないためには、FOMOの状態にならないように注意しましょう。
投資においてFOMOを避けるためには、以下の6つの対策があります。
既にFOMOに陥っている人はもちろん、FOMOへの不安がある人は、ぜひ参考にしてください。
1つ目の対策は、具体的な売買ルールや投資した後のシナリオを言語化しておくことです。
なぜなら、ルールやシナリオが明確であれば、市場が急騰・急落した時に売買判断で迷うことが少なくなるからです。
まずは、ノートやExcelなどに、エントリーの根拠、いくらで買うか、利確目標や損切りラインを事前に決めておきましょう。
2つ目の対策は、SNSやニュース速報といった日々リアルタイムで動く情報を見ながら取引の意思決定をしないことです。
その理由は、リアルタイムの情報は、あなたの感情を強く刺激し、冷静な分析・判断を著しく妨げるからです。

例えば、取引は平日の市場時間中に行うが、情報収集や次の日のトレード計画は、市場が閉まった後や土日など市場が動いていない時間帯に行います。市場が動いていない時間帯は、ニュースの報道が少なく、チャートも動いていないため、冷静な判断がしやすくなります。
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3つ目の対策は、成行注文だけでなく、指値注文を活用することです。
成行注文は現在の価格で取引できるシンプルな注文方法ではあるものの、FOMOになっている状況ではすぐに注文ができてしまうため、高値掴みや狼狽売りの原因にもなります。
一方で指値注文は、指定した価格に到達しなければ注文が約定しないので、注文後に暴騰や暴落が起きても、ご自身の感情がトレードに介入しにくくなります。
特に利益の確定が早く、損切りが遅い人は、指値注文を活用することで、感情がトレードに介入しにくくなる場合があります。
初心者には指値と成行注文のどっちがおすすめ? 各注文方法の注意点も解説!
4つ目の対策は、普段からご自身の取引を記録するトレード日記をつける習慣をつけることです。
トレード日記を付けることで、ご自身のトレードの振り返りになるため、トレード技術を身につけやすくなります。
重要なのは、エントリーや決済した価格、損益だけでなく、エントリーや決済した理由や感情も記録することです。
特に損失が出た取引のチャートと注文時の感情を振り返ることで、ご自身がどういったケースで負けることが多いのか客観的に認識でき、次回以降のトレードで同じ失敗を避けやすくなります。
5つ目の対策は、根本の原因である機会損失に対する認識を変えることです。
そもそも、投資の世界で全ての値動きを天井から底まで取ることは不可能なため、エントリーしなかった際に発生した利益は、投資において必ず発生する必要経費であると受け入れましょう。
機会損失を過剰に恐れていれば、繰り返し取引をして損切りが積み重なっていくだけです。
今回はご自身の取引ルールに合わなかったから見送ったことは正しい判断だったと考えるようにしましょう。
6つ目の対策は、他人の成功に惑わされないために、ご自身が決めた時間軸や得意分野に集中することです。
他人がたくさん利益を得ているからといって、ご自身に合わない手法で戦おうとすると、情報量や経験で劣り、FOMOに振り回されやすくなる場合があります。
例えば、日足チャートを使った大型株のスイングトレードが得意だと認識している人は、X(旧Twitter)で5分足のスキャルピングや草コインの爆益報告を見ても、自分とは関係ないと考えるようにしましょう。
どうしてもできない場合は、トレード中はSNSを見ないように、スマホの電源を切る、アプリ自体を削除するなどの方法も有効です。
FOMO(乗り遅れる恐怖)は、株式や暗号資産の投資において多くの人が経験する心理状態です。しかし、この感情に流されると、高値掴みやルール違反のトレードにつながりやすくなります。
投資で長く生き残るためには、自分の感情を客観的に理解し、明確な取引ルールを守ることが重要です。本記事で紹介した対策は、FOMOに流されず、冷静な投資判断を行うための参考となります。
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