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ケリーの公式(ケリー基準)の計算式とは?株やFXで使えるか解説
ケリーの公式(ケリー基準)を使えば、FXや株において長期的な資産増加率を最大化するための最適な投資比率を計算できます。
「トレードで破産しない資金管理の最適解を知りたい」「リスクを抑えながら、長期的な資産増加率を最大化する方法はないのか」といった疑問を持っているトレーダーにとって、非常に有効なツールです。
ロットや取引量を決める際に、勘や感情ではなく数値に基づいた判断ができるようになります。 これにより、相場からの退場を防ぎながら、トレード手法の持つ優位性をより効率的に活かすことができます。
本記事では、ケリーの公式の理論と計算方法から、プロがハーフケリーを推奨する根拠や実際のトレードで注意しなければならない点を解説します。
多くのトレーダーが破産する原因は、トレード手法ではなく資金管理の失敗にあるといわれていす。
ケリーの公式(ケリー基準)とは、いくら投資すべきかという問いに対し、数学的な最適解を導き出す公式です。
この記事では、ケリーの公式の基本的な考え方から、FXや株式投資での実践的な応用方法、そしてその限界までを解説していきます。

ケリーの公式(ケリー基準)の目的は、長期的な資産の増加率を最大化することです。ここで重要な点は、1回のトレードで最大の利益を狙うためのものではないということです。
投資やトレードは1回限りの勝負ではありません。何度もトレードを繰り返し行う必要があるため、1回ごとの利益の平均値を追求するよりも、資産が複利で増えていく率を最大化するほうが、最終的に資産を大きくする上では合理的です。
例えば、期待値がプラスになる優れた手法を持っていたとしても、1回のトレードに全資産を投じるような過大なリスクを取れば、たった1度の負けで全額を失い、市場から退場することになります。

逆に損するリスクが怖いからという理由で、少額しか投資しなければ、資産はなかなか増えていきません。
ここで登場するのがケリーの公式です。ケリーの公式を使えば、リスクを取りすぎて破産することもなく 、かといってかといって慎重すぎて 利益機会を逃すこともない、投資効率を数学的に導き出せます。
f = (bp – aq) /ab
各記号には以下の意味があります。
| ケリーの公式(ケリー基準)の記号 | 意味 |
| f | 最適な投資比率 |
| b | 勝った場合の利益率 |
| p | 勝率 |
| a | 負けた場合の損失率 |
| q | 負け率 |
これだけだとわかりにくいので、記号ではなく文章に変更すると以下の通りです。
最適な投資比率={(勝った場合の利益率×勝率)-(負けた場合の損失率×負け率)}÷(勝った場合の利益率×負けた場合の損失率)
例えば、あるトレード手法の勝率(p)が 60%(0.6)だとします。この場合、負け率(q)は 40%(0.4)です(100%から60%を引く)。
仮に平均利益と平均損失がどちらも10万円の場合、勝った場合の利益率と負けた場合の損失率はどちらも1.0となります。これらの数値をケリーの公式に当てはめると、以下の通りです。
(1.0×0.6-1.0×0.4)÷1.0×1.0=0.2(20%)
つまり、この場合は、1回のトレードにつき、全資産の20%をリスクにさらすことが、資産増加率を最大化する最適比率であることを示しています。
ケリーの公式(ケリー基準)によって最適比率が計算できても、なぜその比率を守る必要があるのか、直感的には理解しにくいかもしれません。特に、計算された比率が 20% や 30% といった高い数値になると、本当にそんなに大きなリスクを取ってよいのか不安になります。
ここではシミュレーションを用いて、ケリーの公式で算出された比率を大きく超えてリスクを取ると、 なぜ破滅を招くのかを視覚的に解説します。
ケリーの公式(ケリー基準)が示す最適値を超えて投資を続けると、たとえ期待値がプラスの手法であっても長期的には資産が減少に向かう可能性が高くなります。
なぜなら、資産の増減は、足し算ではなく、掛け算で計算されるためです。
例で説明すると、1回目の取引で100万円の資産が50%増えれば150万円になりますが、2回目の取引で50%減った場合の資産は75万円になります。
どちらのトレードも増減率が同じため、2回目のトレードでは元の価格である100万円に戻ると考えがちですが、実は資産が元本を割ってしまうのです。
過剰にリスクを取ると、ボラティリティを極端に大きくします。ケリーの公式を超えた比率では、勝ったときの増加率よりも負けたときの減少率の影響が上回るようになる点に注意しなければなりません。
中上級者のトレーダーは、ケリーの公式(ケリー基準)をどのように実際のトレードで使っているのでしょうか。
ケリーの公式の考え方を現実のFXや株式投資に活かすための、より実用的な手法についてご紹介します。
実際のトレードにおいて、プロのトレーダーや資金管理の専門家は、ケリーの公式(ケリー基準)で算出された比率(フルケリー)の半分、すなわちハーフケリー(または3分の1や 4分の1)で運用することを強く推奨しています。
その理由は以下の2つです。
フルケリーにすれば資産増加率は最大になりますが、ドローダウンも最大級になります。
しかし、ハーフケリーにした場合、資産増加率はフルケリーの約75%程度に低下しますが、ドローダウンは半分以下に抑えられるので、リターンを少し犠牲にする代わりに、安全性を高めることが可能です。

次に、過去のデータが未来も続くと仮定して最適値を計算しても、未来の相場が少しでも悪化すれば、破産する可能性が高くなります。
そこで、算出された最適値が楽観的すぎる場合に備えて、あらかじめ比率を半分に抑えておきます。ハーフケリーは、不確実な未来に対応するための調整方法といえるでしょう。
ケリーの公式(あるいはハーフケリー)は、FXトレーダーが最適なロット数(取引量)を決定するための方法となります。
例えば、資金100万円、ハーフケリーで計算した最適比率が10%(0.1)だった場合、1回のトレードで許容できる最大損失額は口座の資産の10%となるので、10万円までに抑える必要があります。
仮に、使っているトレード手法の損切り幅が20pips、米ドル円(1ドルが150円の場合)を取引する場合、10万通貨(1ロット)で20pipsの損失は約2万円です。
許容損失額10万円の枠内で1トレードあたり2万円のリスクを取るわけですから、最適ロット数は、以下のように計算できます。
10万円÷2万円=5ロット(50万通貨)
このように、ケリーの公式は、感覚ではなく数学的根拠に基づいてロットを決められる方法のため、破産リスクを抑えられます。
ケリーの公式(ケリー基準)は、計算の前提となる勝率や損益率が不確実な過去データに基づいています。
多くのトレーダーは、過去のトレード履歴から最適な投資比率を算出しますが、未来の相場でも同じような結果が続く保証はありません。
例えば、レンジ相場で高勝率だった手法が、強いトレンド相場になったことで機能しなくなると、ケリーの公式によって求めた最適比率で取引しても破綻する可能性が高くなります。
ケリーの公式は、入力する数値が不正確であれば間違った答えしか導き出しません。そのため、破綻を避けるために算出した最適値の半分で運用することを推奨します。
これまでケリーの公式(ケリー基準)の理論から実践、限界までを解説してきました。この理論は万能の公式ではありませんが、中上級者のトレーダーにとって有力な 資金管理の指針となります。
最後に、この強力なツールとどう向き合っていくべきか、その結論を2つの視点から提示します。
ケリーの公式を投資に活用したい人は、ぜひ参考にしてください。
ケリーの公式(ケリー基準)は、利益の最大化を図りながらリスクを管理するために活用できます。
多くのトレーダーは、調子が良いとリスクを取りすぎ、スランプに陥るとリスクを取れなくなるという感情的な資金管理に陥りがちです。
ケリーの公式は、期待値がプラスである限り、明確な比率で投資を続ければ資産を効率的に増やしやすくなります。
市場がどれほど熱狂していても、一度決めた比率を超えた資産をリスクにさらさないように注意しましょう。
ケリーの公式(ケリー基準)は、あくまでプラスの期待値を最大化するためのツールです。
計算の元となる投資戦略の期待値がマイナスだった場合、ケリーの公式で最適な比率を決めても長期的に資産はゼロに近づきます。
したがって、長期的に勝てる手法を持っていないにもかかわらず、ケリーの公式だけで勝とうとしてはなりません。
ケリーの公式を学ぶ前に、まずご自身のトレード手法をバックテストやフォワードテストで検証して期待値があるのかを確認しましょう。
相場の世界では、ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンの投資が多い傾向があります。
ケリーの公式(ケリー基準)を使えば、期待値がプラスの戦略において、長期的な資産増加率を最大化する最適な投資比率を計算できるので、リスクとリターンのバランスを考えながら、より合理的な投資判断ができるようになります。
しかし、シミュレーションに使うのは、過去のデータであるため、そのまま計算すると大きなドローダウンが起きたときに口座が破綻するリスクがあります。
ケリーの公式をFXや株式投資で活用するには、ハーフケリーを採用することを推奨します。
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