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先週後半から5月14日にかけての暗号資産市場は、高値圏からの調整と、地政学リスク、さらには米国のマクロ経済指標に翻弄されるなど、下落傾向が続いていました。しかし、CLARITY法案の可決により上昇する可能性があります。
まずはビットコインやイーサリアムの値動きからご紹介します。
5月6日夜に1月以来の高値となる8万2000ドル台半ばを付けたビットコインでしたが、7日からは利益確定売りに押される展開となり、8日未明には一時8万ドルの大台を割り込みました。

急落の背景には、ホルムズ海峡での米国とイランによる武力衝突の報が伝わったことがあり、地政学的な緊張感が一気に有事の売りを誘発しました。
しかし、その後は8万ドル台を回復して横ばいで推移し、週末にかけては緩やかに値を戻す底堅さも見せています。
週明け11日の朝方には再び8万2000ドル台を回復したものの、戻り売りに押されて8万1000ドルを割り込むなど、上値の重さが目立つ状況が続きました。
市場のムードを大きく変えたのは、12日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)です。
事前の予想を上回るインフレの加速が示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が続くとの懸念が広がり、米長期金利の上昇とともにビットコインやイーサリアムなどの主要銘柄は一斉に下落に転じました。
ビットコインは200日移動平均線が意識される8万2000ドル付近で跳ね返される形となり、イーサリアムもサポートラインであった2300ドルを下抜けて2274ドル付近まで急落するなど、アルトコイン市場にも冷や水が浴びせられました。

そして、13日にビットコインは午後に8万1000ドル台まで持ち直す場面があったものの、夜から14日未明にかけて下落が加速し、約1週間ぶりに7万9000ドルの節目を割り込む展開となりました。
しかし、深夜から持ち直し81,000ドル台を回復しました。
14日の下落要因の一つには、米上院で審議が予定されているデジタル資産規制法案「CLARITY法案」を巡る不透明感があります。
上院議員から100以上の修正案が提出されたことに加え、米労働組合による反対表明や、米国銀行協会が法案の抜け穴を指摘したとの報道が話題となり、規制緩和への期待が不透明感へと変わったことが嫌気されました。
ただし、米上院銀行委員会が14日に無事CLARITY法案を可決したため、この問題による値動きに悩まされる心配はなくなるでしょう。
続いて、テクニカル分析の観点からビットコインとイーサリアムの値動きを予想してみます。
ビットコイン(BTCUSD)は徐々に安値を切り上げていますが、200日移動平均線に頭を押さえつけられている状況です。

200日移動平均線を超えられれば2025年10月29日以来となりますが、反転下落する可能性もあるため慎重な判断が求められます。
イーサリアム(ETHUSD)は2,400ドル台半ばから2,200ドル台前半でのレンジ相場を形成しているため、どちらを抜けるかに注目です。

上方向へ抜けた場合は2,800ドル、下方向へ抜けた場合は2,000ドル割れも視野に入れる必要があります。
2026年5月15日にビットコインキャッシュにおいて、ネットワークの機能拡張を目的としたハードフォークが実施される予定です。
今回のアップグレードでは、主に仮想マシンの性能向上やスクリプト機能の拡張が含まれており、スマートコントラクトの柔軟性が向上し、より複雑なアプリケーションの構築が可能になると期待されています。
投資家の関心が高いマイニング報酬についてですが、今回のハードフォークによってその額が直接的に変更されることはありません。ビットコインキャッシュのマイニング報酬は、約4年ごとのサイクルで設定されている半減期によって決定されており、直近では2024年に実施されました。
次回の半減期は2028年頃と予測されているため、現時点では1ブロックあたり3.125 BCHという報酬額が維持される見通しです。
ビットコインキャッシュはこれまで、コミュニティ内の技術的な対立や開発方針の相違から、数回の大規模なハードフォークを経験してきました。
歴史を振り返ると、まず2017年8月1日にビットコインのブロックサイズ拡大を巡る議論からビットコインキャッシュそのものが誕生しました。
その後、2018年11月15日には技術仕様の対立からビットコインSV(BSV)が分離し、さらに2020年11月15日には開発資金の徴収案を巡る対立によってeCash(XEC)へと繋がる分岐が発生しています。
ハードフォーク実施に伴う一般的な価格動向としては、実施の数週間前から期待感や不透明感が入り混じることで、ボラティリティが高まる傾向があります。
アップグレードによって利便性が向上することへの期待や、チェーンが恒久的に分離した場合の新コイン付与を狙った買い注文により、実施直前までは価格が押し上げられやすい傾向も見られるでしょう。
その一方で、ハードフォークが無事に完了した後は、安心感による事実売りやネットワークの不安定化を懸念した利益確定売りによって調整局面に入ることも少なくありません。
現在の価格水準は433ドル前後で推移しており、今回の技術刷新が中長期的な強気トレンドへの契機となるかが注視されています。

テクニカル分析では420ドル前後から484ドル前後でのレンジ幅で動いていますが、ハードフォーク実施後にどちらかへ大きく動く可能性を視野に入れておきましょう。
加えて、各暗号資産取引所ではハードフォークが終了するまで取引が一時的に停止されるため、注意が必要です。
これまで懸念されていたCLARITY法案は上院で無事可決されたため、最終案として本会議に送られる見通しが立ったことで、不安要素が一つ消えたことになります。中東情勢の推移を見極めるまでは、膠着感の強い不安定な値動きが続く可能性が高いと考えられます。
本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。