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昨日の為替市場は、米国とイランの停戦合意により有事のドル買いが巻き戻される展開となりました。
まずは、直近の相場環境から振り返ります。
8日の東京・ロンドン市場では、米国とイランが2週間の停戦で合意したとの報道を受け、これまでの「有事のドル買い」が急速に巻き戻される展開となりました。

エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の開放への期待から原油先物価格が暴落し、エネルギー輸入コスト増への懸念が和らいだことで円を買い戻す動きが強まりました。
ドル円は159円台後半から一時158.2円台まで下落し、ロンドン時間もこの円高・ドル安の流れを引き継いで158.3円前後でもみ合う動きとなっています。
しかし、停戦の実効性については早くも慎重な見方が広がっています。なぜなら、パキスタン首脳陣がSNSで「紛争地帯で停戦違反が報告されている」と投稿したほか、イスラエル側もヒズボラへの戦闘継続を表明しているためです。
停戦が「極めて脆弱なもの」になるとの懸念から、下値ではドルの買い戻し意欲も確認されました。
ニューヨーク市場に入ると、ドル円は157.8円台まで下押しして日通し安値を更新したものの、その後は底堅い動きを見せました。
市場の支えとなったのは、3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、多くのメンバーがインフレ高止まりによる追加利上げの可能性に言及していたことが判明し、米長期金利が上昇したことです。
これを受けてドルを買い戻す動きが強まり、深夜には158.8円台まで値を戻しました。
中東情勢を巡っても、「イスラエルの違反によりタンカーの航行が停止した」といった報道や、ヒズボラが停戦対象に含まれるかを巡る米・イラン間の主張の食い違いが伝わり、地政学リスクへの警戒感が再びドル買いを後押ししました。
明けて本日9日の東京市場では、ドル円は158.8円前後で堅調に推移しています。明日予定されている和平交渉を前に、中東からの報道が錯綜しており、不透明感から積極的な取引は手控えられています。
ただ、ホルムズ海峡閉鎖に関する一部報道を受けて緊張緩和への期待が後退しており、仲値にかけては実需のドル買いも重なり、158.8円台後半まで小幅に水準を切り上げる動きが見られました。
ドル円は、直近高値である160.4円台を明確に超えられない限り、一段の上値追いは難しいと考えられます。

現在は心理的節目の160円に近い水準で推移しており、次の大きな材料が出るまでは、膠着状態が続く可能性があります。
本日の注目銘柄は日経225です。

日経225は、先日割り込んだ上昇トレンドラインの延長線付近で上昇が阻まれ、今朝からは反落の動きを見せています。
テクニカル的には戻り売りが意識されやすい形状です。57,600円台を背にした売り戦略が検討できる局面と考えられます。
下値の目処としては、長期的なサポートとして機能しやすい200日移動平均線が位置する50,000円前後がターゲットとなります。
トレンドラインの裏側で頭を抑えられる形が確定すれば、調整が深まる可能性に注意が必要です。
今夜21時30分には、米PCEと第4四半期実質国内総生産(確報値)の発表を控えています。
FOMCという大きなイベントを通過したことで、市場の関心は再び経済指標へと移っており、指標結果に対して敏感に反応しやすくなっていると考えられます。
ただし、テクニカルや経済指標以上に警戒すべきは中東情勢です。
現在維持されている米国とイランの停戦が万が一破られる事態となれば、為替・原油相場が再び激しく変動するリスクがあります。
指標発表によるドル買い・ドル売りの動きだけでなく、突発的なニュースフローに対しても警戒を緩めないようにしたい局面です。
本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。