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先週末にビットコインは一時79,000ドル台を回復しましたが今週に入ってからは軟調な展開が続いています。
まずはビットコインやイーサリアムの値動きからご紹介します。
4月下旬の暗号資産市場は、重要イベントを控えた慎重姿勢と地政学リスクの再燃により、高値圏での乱高下が継続しています。
23日に中東情勢の緊迫化を背景に、現物ETFの全指標が数カ月ぶりにプラスへ転じたことが材料視され、ビットコインは一時7万9000ドル台を回復しました。

週末にかけては利益確定売りに押されたものの、7万7000ドル台で底堅く推移し、26日には再び7万9000ドルを伺う展開となりました。
しかし、週明け27日の午前中に7万9000ドル台へ乗せた直後、売りが優勢となり28日未明には7万5000ドル台まで急落しています。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした現物ETFからの約2億6,320万ドルの大規模な純流出があり、9日間の流入超が途絶えたことで投資家心理が冷え込みんだことが背景にあるようです。
29日には、トランプ政権による「戦略的ビットコイン準備」に関する発表への期待から一時7万7000ドル台まで反発しましたが、上昇の勢いは続きません。
ホルムズ海峡の封鎖準備といったイラン情勢の不確実性が根強く、30日朝には約1週間ぶりの安値となる7万5000ドル台半ばまで一段安となりました。
現在は、景気動向や中央銀行の政策を織り込みながら8万ドルの節目を意識した攻防が続いています。
イーサリアムも先週末から今週にかけて上値の重い展開が続いており、週末には2,300ドル台を維持していたものの、週明けの相場軟化に伴い同水準を割り込み、27日時点で2,200ドル付近まで下落しました。

現在は2,200ドルのサポート維持と2,400ドルの回復が焦点となっていますが、サポートを維持できなければ2,000ドル台割れも懸念されるでしょう。
続いて、テクニカル分析の観点からビットコイン(BTCUSD)を見ると、69,000ドル台付近のチャネル下限が当面のサポートとして機能する可能性があります。

その一方で200日移動平均線が近づいてきており、今後上昇しても83,000ドル前後では反落が起きるかもしれません。
次にイーサリアム(ETHUSD)を見るとチャネルの下限に位置する2,100ドル前後が重要なサポートとなっています。

上値については、チャネルの上限の延長と200日移動平均線が重なる2,700ドル前後が強いレジスタンスとして機能する可能性があるため、この水準に到達するまでは買っても良いかもしれません。
2026年4月18日、リキッドリステーキングプロトコル「Kelp DAO」のクロスチェーンブリッジが攻撃を受け、約464億円相当にのぼる116,500rsETHが不正に流出しました。この事件は、2026年4月末時点では今年最大のDeFiハッキングとなっています。
攻撃は日本時間19日未明、LayerZeroを介して運用されていたブリッジの脆弱性を突く形で実行されました。
攻撃者は偽造されたクロスチェーンメッセージを送り込み、イーサリアム側の保管契約から資産を引き出しました。
LayerZeroの分析によれば、Kelp DAOが単一の検証者のみに依存する構成を採用していたことが致命的な隙となっており、背後には北朝鮮のハッカー集団ラザルスの関与が強く疑われています。
このrsETHは各ネットワークに展開されたラップ版資産の裏付けであったため、流出によって各レイヤー2の保有者は実質的な無担保状態にさらされるシステミック・リスクが顕在化しています。
ここで、なぜDeFi(分散型金融)がこれほどまでにハッキングの標的になりやすいのか、その背景を「暗号資産取引所」や「個人のハードウェアウォレット」と比較する形で整理してみましょう。
中央集権的な取引所(CEX)におけるリスクは主に管理体制やサーバーへの侵入といった人的・組織的なものに依存し、オフラインで秘密鍵を管理するハードウェアウォレットは物理的な紛失やシードフレーズの流出がない限り安全です。
対してDeFiは、そのすべてが公開された「スマートコントラクト」というプログラムのコードによって動いています。
DeFiがハックされやすい理由として、透明性と24時間365日動き続けていることがあります。誰でもプログラムの内容を閲覧できるオープンソースであることは、信頼性の証である一方、悪意あるハッカーにとっては攻撃の設計図が公開されているも同然です。
また、複数のプロトコルを組み合わせるマネーレゴのような相互接続性により、一箇所の不具合がシステム全体に波及しやすい構造になっています。
特に今回のKelp DAOのような異なるブロックチェーンを繋ぐブリッジは、構造が複雑になりやすく、一点に巨大な資産が集中するため、ハッカーにとっては最も効率的な標的となりえるでしょう。
今回の事件では、DeFiならではのレバレッジ構造が被害をさらに深刻にしました。
当時、Aaveなどのレンディング市場では、rsETHを担保にETHを借りて再運用する高利回り取引が積み上がっており、ハッキング直後には担保価値への懸念から大口資金の引き揚げが相次ぐオンチェーン版の取り付け騒ぎが発生しました。
その結果、DeFi市場全体から数日間で約2.1兆円相当の預かり資産が消失したのです。JPモルガンのアナリストチームは、この事象が有事において致命的な弱点になる実例であると指摘し、機関投資家の普及を妨げる要因になるとも警告しています。
その一方で、主要プレーヤーが結成した「DeFi United」が480億円規模のETH拠出を表明し、ユーザーに損失を転嫁しない方針を明文化したことは、分散型金融の新たな成熟度を示すものとなりました。
しかし、この対応は幸運な特例に過ぎません。どれほど監査を重ねてもプログラムの欠陥を完全に消すことはできず、DeFiは常にハックの脅威にさらされています。
暗号資産関連の高利回り商品はすべてのリスクを自ら背負うことの裏返しであり、長期運用する際には細心の注意を払わなければなりません。
中東情勢は依然解決の目処が立っておらず、来週以降も暗号資産の価格が乱高下する可能性があります。
本稿執筆時点のビットコインは軟調ですが、5月5日には米国初の予測市場ETFが誕生するため、ETFへの資金流入が活発化すれば来週以降80,000ドル台を回復するかもしれません。
本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。