ブログ カテゴリー 暗号資産 ビットコインは72,000ドルを回復も中東情勢次第で下落も 

ビットコインは72,000ドルを回復も中東情勢次第で下落も 

2026年4月10日

今週の暗号資産は、ビットコインを中心に大きく値下がりする局面が見られました。 

  • ビットコインが72,000ドルを回復 
  • イーサリアムは一時2,200ドル台まで上昇 
  • 日本取引所グループが暗号資産トレジャリー企業をTOPIXから除外と報道 

まずはビットコインやイーサリアムの値動きからご紹介します。 

トランプ大統領の戦略備蓄案でビットコインは72,000ドルを回復 

 4月3日から9日にかけての暗号資産市場は、トランプ米大統領による政策期待と緊迫する中東情勢の動向を主軸に、大きな展開を見せました。 

週初にはトランプ氏が自身のSNSにおいて、ビットコインやイーサリアムを国家の戦略備蓄資産の中核に据える検討を表明したことで、市場に強力な追い風となりました。 

特に2月末の安値圏で停滞していたビットコインは、この発言を機に急反発を見せ、一時は昨秋以来の高値圏を伺う勢いを見せています。

ビットコインの1週間の推移

また、これに呼応するように、イーサリアムも現物ETFへの流入期待や大型株物色の流れを背景に底堅く推移し、主要アルトコインの中でも特筆すべき戻りの早さを見せました。 

週半ばの6日から7日にかけては、イラン情勢を巡る地政学リスクの再燃と原油価格の高騰が一時的な重石となりましたが、トランプ氏による攻撃期限の延期示唆が市場心理を劇的に改善しています。 

その結果、ビットコインは7万ドル台の大台を突破し、8日朝方には3月中旬以来の高値となる7万2,000ドル台を回復しました。 

その後、米イラン間の停戦交渉に関する報道が伝わったことで市場は一時リスクオンの姿勢を強めましたが、9日にかけては高値圏での利益確定売りや戻り売りに押され、現在は上昇一服の調整局面にあると考えられます。 

本稿執筆時点ではビットコインが72,100ドル台、イーサリアムが2,200ドル台前後です。 

ビットコインは75,500ドル台を超えられるかが焦点となります。一方で、下値の目処は60,200ドル台です。 

イーサリアムについても依然レンジ相場が継続しています。上値の目処は200日移動平均線がある2,900ドル台、下値の目処は1,750ドル前後です。 

今週の注目ニュース:JPXがTOPIXへの暗号資産保有銘柄の新規採用を制限  

日本取引所グループ(JPX)は2026年4月3日、東証株価指数(TOPIX)をはじめとする株価指数の算出要領を改定し、総資産の50%超を暗号資産が占める企業を指数の新規採用対象から除外する方針を明らかにしました。 

この決定の背景には、事業収益よりも保有するビットコインなどの暗号資産の価格変動が企業価値(時価総額)を支配する「暗号資産トレジャリー(DAT)企業」の急増があります。 

一般的に上場企業が有価証券や不動産へ投資することは珍しくありませんが、暗号資産を事業の中核に据えるDAT企業は、従来型の余資運用とは性質が異なる点に注意が必要です。 

ビットコインのような資産は歴史が浅く、数か月先の動向すら見通しにくいほど価格変動が激しいため、指数のボラティリティを不自然に高める要因となり得ます。 

TOPIXに連動するETFなどを運用する機関投資家にとってリスク管理上の課題となるため、JPXは指数の安定性を維持するために50%という明確な境界線を設けたと考えられるでしょう。 

また、DAT企業を巡ってはガバナンス上の課題も浮き彫りになっています。国内の事例では、暗号資産戦略の発表後に株価が資産価値の上昇を大幅に上回るペースで乱高下する現象が確認されているほか、経営危機に瀕した企業が窮余の一策として暗号資産保有に舵を切るケースも少なくありません。 

実際、1861年創業の老舗繊維商社を前身とするBitcoin Japan(旧:堀田丸正)は2025年に米Bakkt社の出資を受け入れ、大胆な業態転換に踏み切りましたが、2026年4月1日付で東証から監理銘柄に指定されました。 

その理由は、スタンダード市場の上場維持基準である流通株式時価総額10億円以上に届かなかったためで、基準未達が続けば同年10月にも上場廃止となる可能性が指摘されています。 

このような事例は、企業の持続可能性を模索する決断と評価される側面がある一方で、経営危機に瀕した企業が株価浮揚を狙う窮余の一策として暗号資産戦略を掲げているのではないかという懸念も生じさせています。 

実際、ビットコインの購入を発表した国内上場企業の多くで、継続企業の前提に関する注記や重要事象が記載されているという報告もあり、一時的な株価高騰の後に下落する傾向も見られるようです。 

一般投資家がリスクを十分に把握できないまま、実質的に暗号資産へのレバレッジ投資に近い事業体へと変貌を遂げることに対し、市場では警戒感が高まっています。 

現在の取引所規則では、単独での業態転換そのものを直接制限する規定は不十分ですが、2026年10月の市場再編を控えた今回の「50%ルール」による指数採用制限は、市場の健全性と投資家保護を両立させるための現実的な判断といえるでしょう。 

来週の展望: イランと米国の停戦が破棄されると暗号資産は下落も 

今週の暗号資産市場は、ビットコインが72,000ドル台を回復しました。しかし、イランと米国で合意した停戦の破棄が警戒されており、再び戦闘が激化すればビットコインの価格が下押しする可能性もあります。週末にかけて進展があることも考えられるため、警戒し続けましょう。 

本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。 

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小栗健吾
FXGT マーケットアナリスト

9年の投資経験を持つマーケットアナリスト。FX、暗号資産、株式、投資信託を専門分野として扱い、トレーディング経験をもとにテクニカルとファンダメンタルの両面から市場を分析する。投資家の視点に立ち、実践に役立つ分かりやすい見解の提供を重視している。『外国為替』のレギュラーコラムニスト。

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