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今週の暗号資産は、米国・イランを巡る緊張、原油価格の上昇、ビットコインを中心に大きく値下がりする局面が見られました。
まずはビットコインやイーサリアムの値動きからご紹介します。
5月下旬から6月4日にかけての暗号資産市場は、マクロ環境の悪化や需給面の悪材料、個別要因が重なり、主要銘柄を中心に下値を大きく模索する軟調な展開となりました。
ビットコイン(BTCUSD)は5月28日に米国・イランを巡る緊張や原油価格の上昇、現物ETFからの資金流出を背景に7万6,000ドル近辺から7万3,000ドル割れまで急落。

29日未明には7万2,000ドル台後半で一度底を打ち、週末31日昼すぎにかけて7万4,000ドル台を回復する場面もあったものの、戻り売りが強く上値の重い展開が続きました。
なお、米CMEグループが5月29日からビットコイン先物・オプションの24時間365日取引を開始したものの市場の活性化には繋がらず、市場の冷え込みを背景に資産運用大手グレースケールなどの関連企業がIPOを延期する方針が報じられるなど、センチメントの悪化が浮き彫りとなりました。
6月に入ると売り圧力が一段と強まり、1日時点で7万1,000ドル台、2日夕方には心理的節目である7万ドルを割り込んで6万8,000ドル台まで下押しされました。
背景には、米政府がイラン最大の暗号資産取引所「ノビテックス」に制裁を発動したという規制リスクに加え、世界最大級のビットコイントレジャリー企業であるストラテジー社によるビットコイン売却が市場に波紋を広げたことが挙げられます。
さらに、米国で審議が進む「クラリティー法案」の先行き不透明感が拭えないことや、史上最大規模のIPOの可能性が指摘されるSpaceXの上場観測が浮上したことで、暗号資産市場から株式市場へ投資資金がシフトするとの懸念が強まったことも相場の大きな重荷となり、円建てでは一時100万円近い急落を記録しました。
3日昼すぎには一時6万5,000ドル台と2月以来の安値を付けた後に深夜にかけて一旦下げ渋る動きも見せましたが、4日未明から再び売りが加速。
一時62,000ドルを割れるなど、この7日間の下落率は2桁近くに達しています。
イーサリアム(ETH)も現物ETFの資金流出や金利上昇懸念から2,100ドル近辺を維持できずに2,000ドルを割り込み、2日時点では1,900ドル台後半へ沈むなど2月以来の安値圏で推移しています。

続いてテクニカル分析の観点からビットコインとイーサリアムの値動きをみていきましょう。ビットコインは週足で発生していた三尊天井のシナリオ通りの下落となりました。
50,000ドル台や40,000ドル台までの下落も視野に入れておく必要があります。

ただし、現在の価格帯は2月上旬に底を打った水準と重なります。そのため現在の価格で底を打って反転するシナリオも想定されるでしょう。
次にイーサリアムですが、週足でみると1,500ドル台は何度も反転した価格帯のため、この水準での反発が期待されます。

ビットコインと同じく2月前半の底を打った水準に位置しており、この価格帯を割れた場合は一旦下落方向についていったほうが良いでしょう。
先週ステラルーメンが急騰したことが話題となりました。
ステラルーメン(XLM)が急騰した最大の要因は、世界最大の金融取引処理機関である米国のDTCC(預託信託清算会社)との提携です。
DTCCは年間数千兆ドル規模の証券決済を担う伝統的金融のバックボーンであり、同社が保管する株式や債券などの現実世界の資産を、Stellarのブロックチェーン上でデジタルデータ化して安全に移転できるようにする計画を発表しました。
米証券取引委員会(SEC)からも法的な問題がないとする書面を受け取っており、2027年上半期までの実装を目指しています。
規制面においても、米当局からデジタル商品として正式に指定されたことで、多くの暗号資産が抱える有価証券問題のリスクをクリアし、大口の機関投資家が安心して資金を投入できる環境が整いました。
さらに、バミューダ政府が世界初の完全オンチェーン国家経済を目指す基盤としてStellarを選定したことや、マーシャル諸島での全国規模のベーシックインカム(UBI)配布に活用されている実績など、国レベルでの実需への期待が価格を大きく押し上げました。
これらの報道により、ステラルーメン(XMLUSD)は5月26日の時点では0.146ドルでしたが、27日から30日にかけて一時0.297ドルまで倍以上急騰。この価格帯は昨年の11月以来の水準です。

しかし、30日以降は一転して大幅な下落を記録しています。
急落の主な要因としては、利益確定の売りが強まったことが挙げられます。また、同時期にイランによる米国との協議停止や海峡封鎖の宣言、民間施設への攻撃が行われたこと、現物ビットコインETFからの大規模な資金流出によって冷え込んでおり、投資家心理が冷え込んでいたことも重しとなりました。
6月4日時点では0.206ドルと5月30日の高値から30%以上も下落しています。
5日金曜日夜に5月分の米雇用統計の発表があります。予想以上に良い結果の場合、米労働市場の底堅さから利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇します。その結果、リスク資産であるビットコインからは資金が流出しやすく、下落トレンドがさらに強くなる可能性があるでしょう。
逆に予想より悪い結果となった場合は、早期の利下げ期待が再燃してドル安・金利低下が進むため、ビットコインには買いが集まりやすく、価格は上昇へ向かうと予想されます。
本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。