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レアアース関連銘柄は、中国の輸出規制や南鳥島沖の資源開発などを背景に、関連ニュースが報じられるたびに市場で注目されるテーマの一つです。
背景には、レアアースの供給網が中国に集中していることや、供給源の多角化を進める政策があります。
本記事では、レアアースが注目される理由、日本の関連銘柄、ETFの紹介に加えて、投資に伴うリスクを解説します。
レアアース(希土類)は、スカンジウム、イットリウムと、ランタンからルテチウムまでのランタノイド15元素を合わせた17元素の総称です。
米地質調査所(USGS)の「Mineral Commodity Summaries 2026」によると、世界の確認埋蔵量は7,500万トンを超え、そのうち中国が4,400万トン(構成比58.7%)で首位、ブラジルが1,100万トン(14.7%)、オーストラリアが630万トン(8.4%)、ロシアが380万トン(5.1%)と続きます(なお前年3番目に多いインドは2026年8月時点ではデータ非公開です)。

埋蔵量そのものは各地に分布する一方、採算の取れる鉱床や精製設備が特定地域に偏っていることが、この資源の特徴といえます。
日本のレアアース関連銘柄が注目されている背景には、供給網の中国依存とその是正圧力があります。
USGS「Mineral Commodity Summaries 2026」では採掘部門で中国が全体の69.2%を占め、精製面ではIEA「Global Critical Minerals Outlook 2025」で中国の2024年のシェアは世界全体の91%を占めたとされています。
特にジスプロシウムやテルビウムなどの重希土類は、中国への依存度が高い状態にあります。
中国商務省は2025年4月、ジスプロシウムやテルビウムなど7種のレアアースを輸出許可制とする規制を導入しました。
日本経済新聞の報道によると、規制対象のレアアースの2026年1〜6月の日本向け輸出量は前年同期比で5割減、米国向けは3割弱減となっています。
対して日本側は政策で対応を進めています。
高市政権は成長戦略で17の戦略分野を掲げ、海洋分野で南鳥島レアアース開発を重視しました。
2026年度予算では、環境省がレアアースなど重要な金属資源の再資源化を支援する事業に379億円を計上しています。
対外的には2025年10月28日に日米の重要鉱物・レアアース供給確保枠組みへ署名し、2026年5月4日には日豪首脳が重要鉱物の共同開発6事業について共同声明を発出しました。
さらに国産資源への期待も高まっています。
東京大学の加藤泰浩教授らが発見した南鳥島沖EEZのレアアース泥について、内閣府のSIPとJAMSTECは2026年1月11日から2月14日にかけて地球深部探査船ちきゅうによる採鉱システム接続試験を実施しました。
JAMSTECの発表によると、揚泥量は約50トン、レアアース総量の約54%がイットリウムやジスプロシウムなどの中重レアアースで、有害物質および放射性物質は有意な数値が検出されませんでした。
2027年2月には本格的な採鉱試験が予定されています。ただし、2026年8月時点では技術実証の段階で、商業生産には至っていません。
レアアース関連銘柄とは?
レアアース関連銘柄とは、レアアースの採掘・調達、分離・精製、磁石などの素材製造、リサイクル、関連設備の開発などに関わる企業の株式を指します。日本ではレアアース鉱山を直接運営する企業は限られるため、海外資源の調達や素材・磁石、リサイクル、海底資源開発など、サプライチェーンの異なる段階に関わる企業が関連銘柄として取り上げられます。

ここでは、レアアースの採掘・供給、素材、海底資源開発、リサイクルなどに関連する日本株8銘柄を、各社の事業内容とレアアースとの関係から整理します。
順番に見ていきましょう。
1.双日

出典:Yahoo!ファイナンス
双日は日商岩井時代からレアアースを扱ってきた総合商社です。2011年にJOGMECと日豪レアアース株式会社を設立し、豪ライナス社への出融資と日本市場での独占販売契約を進めてきました。2023年3月には日本初となる重希土類の権益を確保しています。2026年3月、双日はLynasとの長期供給契約を更新し、長期供給契約を2038年まで延長、日本向け供給割合を最大65%から75%へ拡大、対象品目も2品目から6品目へ広げました。
2.東洋エンジニアリング

出典:Yahoo!ファイナンス
東洋エンジニアリングは1961年に旧東洋高圧工業(現三井化学)の工務部門が分離独立して設立されたプラントエンジニアリング会社です。JAMSTECの委託を受け、海底6,000mからレアアース泥を回収するシステムのうち、解泥・採泥に関する機器の設計・製作を担当しました。2026年1月には南鳥島沖の試掘への期待から連日のストップ高となる場面もありました。
3.三井海洋開発

出典:Yahoo!ファイナンス
三井海洋開発はFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)で世界的な実績を持つ海洋開発企業です。東京大学の主導するレアアース泥開発推進コンソーシアムの採泥・揚泥部会に参加しています。
2012年に東大チームが南鳥島周辺でのレアアース泥の存在を発表した際には、研究への参加が材料視され株価が急伸しました。
4.信越化学工業

出典:Yahoo!ファイナンス
信越化学工業は、レアアースの分離精製から合金化、磁石製造までを一貫して手掛ける世界的なネオジム磁石メーカーです。国内EV向けにも磁石を供給しており、2026年には福井県に希土類の分離精製工場を新設する方針を明らかにしました。研削粉のリサイクルや省レアアース磁石の開発も進めています。
5.DOWAホールディングス

出典:Yahoo!ファイナンス
DOWAホールディングスは非鉄金属製錬とリサイクルの大手で、使用済み家電や電子スクラップから金属を回収する都市鉱山ビジネスに強みを持ちます。
長年の製錬技術を基盤に22種類の元素をリサイクル可能とし、光学レンズ研磨に使うセリウムを9割再利用する技術を確立するなど、レアアースの再資源化にも取り組んでいます。
6.豊田通商

出典:Yahoo!ファイナンス
豊田通商は、2008年からベトナムやインドで調達網を築いてきた商社です。2026年3月にはJOGMECのナミビアにおける重希土類開発事業へ共同開発事業者として参画し、同年7月には特定目的会社を設立しました。中国以外の供給源開拓を継続しています。
7.大同特殊鋼

出典:Yahoo!ファイナンス
大同特殊鋼は、サマリウム鉄窒素(SmFeN)磁石を開発する特殊鋼メーカーです。2026年5月には磁粉およびコンパウンド製品群を拡充し、大型混練機の導入で供給体制を強化したと発表しました。2030年に年間200トン規模の展開を目指しています。
8.第一稀元素化学工業

出典:Yahoo!ファイナンス
第一稀元素化学工業はジルコニウム化合物やセリウム系材料を手掛ける化学メーカーで、レアアースを使わないジルコニア材料への期待から関連銘柄として注目されています。2026年1月のレアアース関連株上昇局面では株価が急伸しました。
レアアース関連銘柄は国策テーマとして注目される一方、投資にあたっては複数のリスクを理解しておくことが重要です。
それぞれのリスクを順番に見ていきましょう。
1.テーマ株特有の値動きの荒さ
時価総額が小さい銘柄では、規制ニュースや政策発表などを材料に売買が活発になり、株価変動が大きくなる場合があります。
また、供給不安が後退したり、材料が出尽くしたりすると、期待先行で買われた銘柄が急落するリスクもあるので注意が必要です。
2.業績と株価の乖離
レアアース関連として物色される銘柄のなかには、実際の事業におけるレアアースの寄与が限定的なものも含まれます。
企業によっては、レアアース関連事業が売上や利益に占める割合が限定的な場合もあります。各社の有価証券報告書などでセグメント別の構成比を確認することが、一つの手がかりになると考えられます。
レアアース関連というテーマだけでなく、各社の売上高や利益、事業への寄与度などを確認することも重要なポイントです。
3.レアアース価格そのもののボラティリティ
過去には中国の増産によって価格が下落し、日本企業のレアアース事業が採算割れで撤退を迫られた例もあります。
供給網の多角化が進めば価格が落ち着く可能性もあり、価格変動が関連企業の収益に影響します。
レアアースは株式や為替のように、取引所で常時売買される金融商品ではありません。相対取引や長期契約が中心となるため、価格形成の透明性が低く、需給の変化が価格に反映されるタイミングも分かりにくい傾向があります。
加えて、輸出規制の強化や緩和といった政策要因によって短期間で価格が上下することもあり、鉱山開発のように投資回収まで長い期間を要する事業ほど、こうした変動の影響を受けやすいと考えられます。
4.南鳥島開発など国産化プロジェクトの不確実性
南鳥島開発を始めとする国産化プロジェクトは、2026年8月時点では技術実証の段階であり、商業生産までには採算性や環境影響評価など多くの課題が残されています。
課題の一つとして採算性が挙げられており、期待通りに事業化が進まないシナリオも含め、複数の可能性が考えられます。
高いリターンには高いリスクが伴う点を踏まえ、メリットとデメリットの両面を理解したうえで、分散投資などのリスク管理を検討することが一つのアプローチとして挙げられます。
日本のレアアース関連銘柄について、ETFや低位株、NISAでの購入可否など、疑問を持たれやすい点を整理します。

「本命」として特定の銘柄を一律に位置付けることはできません。検索記事や市場で取り上げられる企業としては、供給網に関わる双日や豊田通商、素材分野の信越化学工業、リサイクル分野のDOWAホールディングスなどがあります。また、南鳥島沖のレアアース泥開発との関係では、東洋エンジニアリングや三井海洋開発などが挙げられます。
個別銘柄だけでなく、レアアースや重要鉱物に関連する企業を組み入れたETFもあります。ETFでは複数銘柄に分散される一方、組入銘柄や地域、為替などの影響を受ける点を確認する必要があります。海外ではVanEck Rare Earth and Strategic Metals ETF(REMX)がMVIS Global Rare Earth/Strategic Metals指数に連動します。
Global X Rare Earth & Critical Materials ETF(EART)は2026年3月に旧名称・ティッカー「DMAT」から変更されたもので、Solactive Rare Earth & Critical Materials指数に連動しているETFです。いずれも中国関連企業の組入比率や為替の影響を受ける点には注意が必要です。
2026年8月時点で、主要な国内公募投資信託としてレアアースに特化した商品は確認できませんでした。
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レアアース関連銘柄の低位株としては、中外鉱業(712円)、日本精密(293円)、岡本硝子(748円)があります(いずれも2026年8月21日時点終値)。
単元株(100株)での購入を前提とすると、最低投資金額はおおむね数万円台からとなります。なお、「低位株」に統一された厳密な定義はありません。一般には株価水準が低い銘柄を指す言葉として使われます。
レアアース関連銘柄はNISAで購入できます。例えば、グローバルXメタルビジネス日本株式ETFは成長投資枠で購入可能です。
豪ライナス社との長期契約を通じて、中国以外からの重希土類調達を実現している点が理由として挙げられます。2023年に日本初の重希土類権益を確保し、2026年3月には契約を2038年まで延長して対象品目を6品目へ拡大しました。供給網の多角化を象徴する動きとして市場の関心を集めています。
海外鉱山への出資という点では双日や豊田通商、国内の海底資源開発という点では東洋エンジニアリング、三井海洋開発などがレアアース泥開発推進コンソーシアムに参加しています。ただし国内の採掘は実証段階であり、採掘そのものが直接収益となる企業は現時点では限られます。
日本のレアアース関連銘柄は、中国の輸出規制強化、高市政権の経済安全保障政策、南鳥島レアアース泥開発、日米・日豪の同志国連携などを背景に、市場で注目されるテーマの一つです。
双日や信越化学工業、豊田通商といった供給網・素材の中核企業、東洋エンジニアリングや三井海洋開発といった南鳥島開発関連、DOWAホールディングスといったリサイクル企業などが注目されています。
投資信託やETF、NISAを活用した分散投資も一つの選択肢として検討可能です。
テーマ株特有のリスクを理解したうえで、事実に基づいて判断していく姿勢が、一つのアプローチとして考えられます。
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