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「リセッションって何?」「リセッションになると株価やドル円はどうなるの?」
といった疑問を持っていませんか?
ニュースなどでリセッションについて報道されると、投資家は警戒感を強めますが、具体的にどうなるか、どのように備えるべきか気になる人もいるでしょう。
本記事では、リセッションの意味、原因、マーケットの傾向などについて詳しく解説します。

リセッションとは、経済活動における景気後退局面を指す用語です。具体的にはGDP(国際総生産)が2四半期連続(半年間)で縮小するとリセッションと判断されます。
経済では、ずっと好景気が続いたり、逆に不景気が続いたりすることはなく、景気の拡大局面と後退局面があります。さらに、細かく見ると以下の4つの循環が続いています。
| 好況 | 景気が良く、株価が上昇していく |
| 後退(リセッション) | 景気が悪化し、株価が下落し始める |
| 不況 | 景気が最も悪い状態で、株価の底値となる |
| 回復 | 不況から好況に転換するので株価が再び上昇する |
※株価の例
景気が好況から後退(リセッション)に移行すると、株価は下落し始めるので注意が必要です。不況になる前に株を売却しなければ、含み益がなくなってしまうかもしれません。
リセッションの定義は、一般的に欧米と日本では違います。
| 欧州の定義 | 国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長した |
| 米国の定義 | 全米経済研究所(NBER)がGDPや鉱工業生産などの指標を基にリセッションを認定する |
| 日本の定義 | 内閣府が公表する景気動向指数のディフュージョン・インデックス(DI)が50%を下回る状態が一定期間続いた場合 |
日本の場合、景気動向指数のディフュージョン・インデックス(DI)で判断するため、米国や欧州よりもリセッションの認定に時間がかかる可能性があるので注意が必要です。
欧州や米国でリセッションが認定された場合は、日本の景気動向指数のディフュージョン・インデックス(DI)が50%を下回っていなくても資産の売却を検討したほうがよいかもしれません。
景気後退(リセッション)と似た言葉に景気減速があります。
景気減速は、経済の成長が鈍化する状態を指します。景気拡大時の経済成長率が鈍化している場合に使われる言葉のため、経済成長率が再び上昇する可能性もあるでしょう。
一方、景気後退(リセッション)は、経済の活動が顕著に減少する状況を指す言葉です。経済成長率がプラス成長からマイナス成長に減少した場合など、明確に景気が悪化する際に使われます。
リセッションの持続期間は、歴史的背景や経済状況によって大きく異なります。
以下は、過去に米国で発生した代表的なリセッションの平均持続時間です。
| 時期 | リセッションの平均持続時間 |
| 第一次世界大戦頃から第二次世界大戦の時期まで | 約18ヶ月 |
| 第2次世界大戦後 | 約10ヶ月 |
第一次世界大戦頃から第二次世界大戦の時期までの時期にリセッションの平均持続時間が長かった理由は、戦争で民間消費や生産が大きく制限され、産業の重要な部分が戦争努力に投入されたことで経済活動全般が停滞していたからです。
一方で、第二次世界大戦後以降は、戦後の復興や再生産力の急速な拡大により平均持続期間が短くなりました。例えば、各国は復興政策として公共事業の推進や新たな技術の導入を進めています。
また、戦後の国際市場の回復や協力体制の構築により、貿易が再活性化し、外需の増加が内需をも後押しする形となったことも大きいでしょう。
なお、これまでの歴史で最長のリセッションは、大恐慌(1929年)時の43か月間です。一方で、2020年の新型コロナウィルスの感染拡大によるパンデミックにより起きたリセッションは、わずか2か月で終了しています。
なお、全米経済研究所によるとリセッション以降の景気拡張期間の平均は58か月です。
リセッションが起きる原因には主に4つの理由があります。
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
景気は循環しています。
経済成長が続くと、需要が拡大し、企業は生産を増加させます。しかし、成長が持続すると過剰生産が発生するため、次第に需要が減退しリセッションが発生することがあります。
中央銀行が利上げを行った場合は、金利が上がります。利上げにより企業や消費者は積極的にお金を借りようとはしなくなるでしょう。なぜなら、銀行などの金融機関から借り入れを行う際の金利が高くなるので、支払う利息の負担が大きくなるからです。
金融機関からお金を借りてまで投資をしたりお金を使ったりしなくなるため、経済成長が鈍化し、リセッションが引き起こされやすくなります。
インフレーションが加速すると、物価が上昇し、消費者の購買力が低下することがあります。
特に生活必需品の価格が急激に上昇した場合、ものやサービスへの需要が減少し、企業の売上は減少するでしょう。雇用の削減や生産活動の縮小を引き起こすので、リセッションを引き起こしやすくなります。
金融危機や世界的な経済不安が起きると、企業の信用が低下により貸し出しが制限され、企業の投資意欲が減退します。
世界的な経済不安が発生した場合、輸出入も減少するでしょう。
例えば、1990年代の日本のバブル崩壊後の金融危機では、多くの金融機関が不良債権を抱えたことで、企業への貸し出しが厳格化されました。金融機関がお金を貸してくれないため、多くの企業は設備投資を控えるようになり、資金繰りの悪化で倒産する企業も相次ぎました。
ここからは、リセッションになった場合のマーケットの傾向について2007年以降の金融危機を例に解説します。
資産運用をしていて、リセッションになった場合に備えたい人は、ぜひ参考にしてください。
リセッションが発生すると、米国経済が低迷するため、ドル円は円高になりやすいです。
例えば、全米経済研究所が2008年12月に2007年12月からリセッションに入ったと宣言した際には、既にこの1年で22円も円高が推移していました。

景気拡大時のピークのドル円相場が124円前後だったことを考えると、かなり円高が進んでいます。
次にリセッション時のNYダウや日経平均株価の値動きについて見ていきましょう。
NYダウは、リセッション開始の12,000ドル台後半からリセッション宣言時には8,000ドル台後半まで下落していました。

また、日経平均株価もリセッション開始の14,000円前後からリセッション宣言時には8,000まで下落しています。

リセッション時には不動産価格も下落することがあります。以下は国土交通省の東京圏における地価の変動率ですが、平成20年から平成21年(2008年〜2009年)にかけて地価が10%以上も減少しました。

出典:国土交通省
株価と比べると下落率は低いですが(日経平均株価の下落率は40%以上)、不動産投資している人は注意しましょう。
続いて、リセッション時の債券の値動きを見ていきます。
リセッションにより国債金利が低下すると、新たに発行される債券の利回りも低くなるため、既に発行されていた国債(利回りが高い)の需要が高くなり価格が上昇します。
実際、米国債10年利回りはリセッション開始時に3.9%でしたが、リセッション宣言時には2.1%前後でした。

トレードする際は、今後リセッションが発生するかを確認しておく必要があります。
リセッションに注意してトレードする際のポイントは以下の4つがあります。
それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。
1.リセッションのシグナルを見ておく
リセッションを確認する際には、リセッションのシグナルになるといわれている指標の変化に注目しましょう。
| 雇用の増減 | 失業率の急激な上昇や賃金の伸びの鈍化で企業が雇用を減らす |
| ISM製造業景況感指数 | 50を下回ると景気の悪化が続く可能性が高い |
| 逆イールド曲線 | 短期金利が長期金利を上回ると、投資家の信頼低下により経済活動が減速する懸念がある |
| 消費者信頼感指数 | 消費者が将来の経済状況に不安を抱くと、消費支出が減少し、経済成長が鈍化しやすい |
経済指標の変動に注目すれば、リセッション宣言前に気づけるかもしれません。
経済指標だけでなく、株価の値動きも注視しましょう。その理由は、株価はリセッションの動きを最も早く反映されやすいといわれているからです。過去のデータを基に発表される経済指標よりも投資家の心理がいち早く反映される株式市場のほうが、相場の天井に気づきやすいでしょう。
リセッション期に株式投資をしたい場合は、ディフェンシブ銘柄、すなわち不況に強い業種の株に投資しましょう。
医薬品、食品、防衛関連などの銘柄は、景気が悪化しても比較的安定した収益を上げることが期待できます。また、配当利回りが高い傾向があるため、インカムゲインが安定していることも強みです。
4.積立投資をする
長期的な資産運用を考えている場合は、積立投資がおすすめです。積立投資は投資時期の分散ができるので、一括投資よりも値下がりの影響を抑えやすくなります。
ドルコスト平均法により価格が高いときは購入量を抑えつつ、価格が低いときは購入量を増やせば、リセッションになった際に安く資産を購入できるようになります。
平均購入価格を下げる効果があるため、リセッション後に大底から景気が回復すれば資産を増やしやすくなるでしょう。
景気が拡大しているときは、経済的に明るいニュースが増え専門家の予想も強気になりやすいため、投資をしている人は今後の上昇を期待するかもしれません。
しかし、リセッションは予期せぬタイミングで発生することが多く、省庁の発表はリセッション発生から数ヵ月以上遅れて宣言されます。
リセッションが宣言された時点では手遅れになることが多いため、シグナルを確認しつつご自身で判断できるようにするか、値下がりした場合を想定して定期的に利確するようにしましょう。
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