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FXの取引をする人は、ニュースや新聞などで利上げという言葉を見たことがあるのではないでしょうか?
利上げとは中央銀行の金融政策の一つですが、その意味や為替相場に影響があるか詳しく知らない人もいるかもしれません。
本記事では、利上げの意味や為替に与える影響を詳しく解説します。日銀やFRBが利上げをした場合の予測も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
利上げとは、米国の中央銀行である米連邦準備理事会(FRB)や日本の日本銀行など各国の中央銀行が政策金利を上げることです。
政策金利とは、中央銀行から民間銀行への貸付時に設定される短期の金利を指します。
各国の中央銀行の目的には、物価の安定や健全な経済成長などがあります。そういった目的のために行う施策の一つに政策金利の決定があるのです。
なお、政策金利には利上げ以外に金利を下げる利下げ、政策金利を変更しない据え置きといった方針があります。
各国の中央銀行は、定期的に開催する会合において、政策金利を決定しています。
| 国 | 政策金利を発表する機関 | 政策金利※ |
| 米国 | 米国連邦準備制度理事会(FRB) | 5.50% |
| EU | 欧州中央銀行(ECB) | 4.25% |
| 日本 | 日銀金融政策決定会合 | 0.10% |
| 英国 | 金融政策委員会 | 5.25% |
| 豪州 | 政策金利発表 | 4.35% |
| ニュージーランド | 政策金利発表 | 5.50% |
| カナダ | 政策金利発表 | 4.75% |
| スイス | 政策金利発表 | 1.25% |
※2024年6月25日時点の情報です。
政策金利を決定する会合を開催する頻度は、主要国のうち米国・EU・日本・英国・豪州・カナダの6ヶ国は年8回、ニュージーランドは年7回、スイスは年4回です。
為替・株式・債券といった金融市場の関係者やトレーダーから最も注目されている会合は
年8回開催される米国の連邦公開市場委員会(FOMC)です。
米国は世界経済の中心にあたるため、その動向は世界経済の動向に大きな影響を与えます。
したがって、米ドルを取引する機会が少ないトレーダーであっても、FOMCで発表される政策金利は、必ず確認しましょう。

利上げは、景気や為替にも関係がある政策です。ここからは利上げの実施が景気や為替に与える影響について詳しく解説します。
利上げを始めとする政策金利の決定は景気にも影響があります。一般的に好景気になると利上げ、不景気になると利下げが実施されます。
景気が良くなったときに利上げを行う目的は、景気の過熱感やインフレを抑えるためです。
一般的に好景気は良い状態と捉えている人が多いでしょう。しかし、好景気になると以下のようにインフレが発生します。
インフレによりモノやサービスの値段が上がり続けても、収入も同じペースで上がっていけば大きな問題にはなりません。
しかし、収入を大きく上回るペースでインフレが加速すると、多くの消費者は生活費の支払いができなくなります。
そこで、中央銀行は利上げを実施して金利を高くしようとするのです。
利上げにより金利が高くなると、金融機関への預金や投資に回したほうが資産を増やしやすくなるので、消費者は買い物にお金を使わなくなります。
さらに、金融機関からお金を借りる際の金利も高くなるので、会社は事業拡大のための設備投資や人材採用に消極的になります。モノやサービスが売れにくくなるため、消費者の賃金上昇も止まりインフレが抑制されるのです。
中央銀行が実施する利上げと為替には密接な関係があります。
一般的にお金は金利が低い国から高い国へ流れます。預金を例にすると、多くの消費者は預金先を選ぶ際にたくさん利息を受け取りたいので、金利の高い銀行を選びます。
為替についても同様で、金利が低い国の通貨よりも金利の高い国の通貨のほうが投資家からの需要も増えるため、買われやすくなります。
為替レートは、2国間の需給バランスによって変動するため、利上げを契機に為替レートが大きく変動することも珍しくありません。
したがって、FXの取引をするなら関連する通貨を発行する国の政策金利の発表に注意を払うべきです。
例えば、米ドル円を取引する場合は、日銀金融政策決定会合だけでなく米国の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利に変更がないか確認しましょう。
過去にFRBやECBは何度も利上げを行ってきました。この章では、過去に実施された利上げが為替相場に与えた影響を解説します。
各利上げ実施後の為替相場について詳しく見ていきましょう。
最初に紹介するのは、2004年6月〜2006年6月にかけて実施されたFRBによる利上げです。
2004年6月に政策金利をそれまでの1.00%から1.25%に引き上げました。
その後も何度か利上げを実施し、2006年6月までの間に政策金利を5.00%まで引き上げています。
そして、米ドル円の為替レートは、その期間中に108円から124円までドル高円安が進みました。

次に紹介する事例は、2015年12月〜2018年12月にかけて実施されたFRBによる利上げです。
2015年12月に政策金利をそれまでの0.25%から0.50%に引き上げました。その後何度か利上げを実施し、2018年12月には2.50%まで引き上げられています。
しかし、この期間の利上げでは、米ドル円は124円から100円を割る水準までドル安円高が進みました。

次に紹介する事例は、2022年3月〜2023年6月にかけて実施されたFRBによる利上げです。
2022年3月に政策金利をそれまでの0.25%から0.50%に引き上げました。そして、2023年6月までの期間に政策金利は5.50%まで引き上げられています。
米ドル円の為替レートは、2022年3月時点では120円台でしたが、2023年6月までの間に一時152円前後までドル高円安が進みました。

同時期に日本銀行が一度も利上げを実施しなかったことで日米の金利差が大きく開いたことが挙げられます。
最後に紹介する事例は、2022年7月のECBによる利上げ後のユーロドル相場です。
2022年7月にECBは政策金利をそれまでの0.00%から0.50%まで引き上げました。

発表直後は、事前に示唆していた引き上げ幅を上回ったため、ユーロ高米ドル安となりましたが、長くは続かずドル高円安方向へ動きました。
ユーロ高が長く続かなかった理由は、ユーロ圏の景気見通しが悪化していたためです。
このように、利上げが実施されても通貨高に傾かないこともあります。
米国連邦準備制度理事会(FRB)は、6月11日、12日に行われた連邦公開市場委員会(FOMC)において、今後の利下げに慎重な姿勢であると発表しています。
一方、2024年6月13日、14日に行われた日銀金融政策決定会合では、追加利上げの検討が必要との意見が相次ぎました。
日本の政策金利は0.10%(2024年6月時点)ですが、今後さらなる利上げが実施される可能性があります。
今後日銀のみが利上げを実施した場合、日米間の金利差が縮小します。一般的に金利差が縮小すれば、これまでのドル高円安がドル安円高に転じる可能性も十分あるでしょう。
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